2006年08月27日

角偉三郎 遺作展

 京都は夕方から大降りでした。そのせいか少し涼しくなったようです。
 
 京阪百貨店守口市店で開催されている
 『角偉三郎 遺作展』に行ってきました。

 恥ずかしながら現物を見るのは初めてです。
 しかも椀・鉢以外はまったく知りませんでした。
 日展などに出されたパネルなどは
 まったく私の知っている作風からは想像できないものでした。

 へぎ板の屏風は素朴でありながら圧倒的な存在感がありました。
 和、洋どんな部屋にでも調和し、こころ和ませてくれるように感じまし  た。

 週刊文春に掲載されたパパスの服を着て笑っている顔
 とても素敵でしたし、服も大変似合っておられカッコ良かったです。

 亡くなられる前から集大成として展覧会が企画されていたそうですが
 残念なことに遺作展となったとのことです。

 9月2日まで


漆器と陶器のオンラインショップ_______■□
『四季や』
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2006年08月24日

漆の世界 漆が乾くということ

 暦の処暑のとおり、朝晩すこし過ごしやすくなってきましたが
 日中は相変わらず猛暑の京都です。

 久しぶりに漆のことを書きます。
 漆は一般的に考えられているような乾燥する≠ニいう性質を持っていま せん。
 
 漆は主成分のウルシオール中に水分が分散して、その中にラッカーゼとい う酵素が存在しています。
 このラッカーゼの働きによってウルシオールの重合がおこり、塗布した幕 が乾燥(硬化)します。

 そこで漆が乾燥するためにはこのラッカーゼの活性を整える環境が必要に なってきます。

 漆が塗られた器物は風呂または室とよばれる高湿度の部屋に入れて乾燥し ます。一般的に温度15〜25℃で湿度65〜85%が適しているといわ れています。これらは漆の状態、季節などによって調整されます。

 このような特異な性質を持つ漆を何千年も前から塗料として使っていたこ とに驚かされます。


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2006年05月26日

うるしの世界 その13

漆器の下地工程で漆を木地にしみこませる
木地固め≠ニいう工程があります。
この作業により、木地は非常に丈夫になります。
それゆえ漆器は百年、二百年持つともいわれています。

木地に使う木材は樹齢何百年のものが使われるのか
詳しくは知りませんが、

次の漆器に換えるころ、樹木が成長している。
だから作り手はしっかりと作り、
使い手は大切にする。

と、昔の人は考えたのかどうかわかりませんが

現代の職人さんも消費者もそうあって欲しいと思います。

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漆の世界 その12

漆は接着剤としての用途と塗料としての用途があります。

塗料としてはほとんどが木材に塗られています。
では、それ以外にはといえば
案外知られていなしように思われます。

竹・紙・布・皮・陶器・金属など多くのものに使われます。
ただガラス、釉薬のかかった陶器などは剥がれてしまいます。

南部鉄瓶の仕上げに漆がぬられます。
映像でしか見たことがありませんが、
熱した鉄瓶に漆を塗ると煙が立ち上ります。
その光景はまさに驚きでした。
多くの漆関係者も驚かれるそうです。
美しさのための着色だけでなく、錆止めの効果もあるそうです。

南部鉄器協同組合
http://www.ginga.or.jp/~nanbu/
南部鉄器資料室
http://www.odette.or.jp/virtual/nanbutekki/index.html

お湯をコンロで沸かすことが少なくなった現代ですが
鉄瓶で沸かしたお湯で入れるお茶の味は格別ではないでしょうか。

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2006年05月09日

漆の世界 その11

漆の自生する地域は東南アジアから
中国、朝鮮半島、日本など東アジアの地域である

もはや日本国内で使われているほとんどが中国産です。
といっても輸入が半数を超えたのは明治時代からで
なにも他の産業のように最近の話ではありません。

日本産に比べ安くてが劣るとされていますが
化学的な分析では変わりないとされています。

ただ、日本のように季節ごとに分けて採取するような
ことはしないのと、輸出のため集積地まで運ぶのに時間がかかり
劣化するため、結果として最終的に質の低下が起こっている
のではないかとのことです。

ただ日本でもそうであった様に
中国の工業化が進んでいくと
ウルシノキがあっても手入れする人や採取する人がいなくなり
影響がでてくるやもしれません。

ベトナムでも漆はとれますが、こちらは油分が多く
少しかってが違うようです。
他の産業と同じように中国の次はベトナムとはいかないようです。

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2006年05月04日

漆の世界 その10

前回は漆の抗菌性につて
述べました。

今回はその他の性質についてお話します。

漆器は塗料ですのでゴリゴリこすると傷がつきます。
ですから、当然スポンジなどの柔らかいもので
洗ってください。

漆は酸、アルカリに強いので
洗剤をつかっても問題ありません。

熱いものを入れるとだめといわれています。
否定される方もおられますが、
長期間使った汁碗は白っぽくなっている事があります。
しかし、私がほぼ毎日5年間使っているお碗はまったく問題ありません。
5年や10年程度では問題ないのでしょう。

電磁レンジ、自動洗器は禁忌だといわれています。
使った経験がないので、たぶんそうなんでしょうとしかいえません。
蒔絵のあるようなものは絶対さけるべきでしょうね。
陶器でも自動食洗器で欠けることがあります。

最近では自動食洗器対応の漆器もつくられています。
鯖江市の小学校ではこの漆器を給食のときに使っています。

話がそれましたね。
漆器は塗り直しもできるので
普通に扱えば本当に長く使えます。

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2006年05月02日

漆の世界 その9

漆の抗菌性

漆は塗料、接着剤として昔から使われてきました、
その抗菌性は高く評価される能力です。

詳細は述べませんが
京都府保険環境研究所では
漆浸漬水溶液に一定濃度の菌を接種し
生残性を測定して
病原菌のコロニーを認めなかったと
報告しています。

また、京都漆器協同組合が依頼し
ファルコライフサイエンスがおこなった
実験では
大腸菌やMRSAも4時間後に半減
24時間後に0となったと報告されています。

漆はその美しさだけでなく
機能の面でも大変優れている塗料だといえます。

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2006年04月26日

漆の世界 漆の起源

日本の漆器の歴史は古く
今から9千年前の遺跡から平成12年
北海道南茅部町の垣ノ島B遺跡から
赤漆の塗られた副葬品が発掘されました。
spec_03_img_05.jpg

このことにより
中国揚子江流域の河姆渡遺跡の7千年前の
出土品を大きく上回り
中国からもたらされたという定説を覆し
日本起源説の有力な証拠となるとされています。

日本起源か同時発生かはともかく
縄文時代早期にすでに
漆を採取し器物に塗るという
高度な文化が存在したことに驚かされます。
赤色漆を塗っていたことから
精製技術や顔料を用いていたことに
すでに高度な技術力を持っていたと考えられます。

実はこの副葬品ですが
平成14年に南茅部町埋蔵文化財調査団事務所が火事になり
そのとき漆製品も灰になったそうです。


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2006年04月18日

漆の世界 その7

西陣織の帯や金襴に織り込まれる 平箔

織物に優雅な輝きを与える
「平箔」の制作にも漆が使用されています。

平箔とは和紙一面に本金箔やプラチナ箔などを漆で貼り付け、
細かく切断して糸状にしたものです。

織り工程を担当する職人さんが一本ずつ丹念に織り込みます。
強力な接着力を持つ漆は、ここでは接着剤として用いられています。
使用する漆の種類を変えると、
仕上がりの光沢や色合いに変化をつけることができるため、
平箔の風合いを決定する役割も果たしています。

本金平箔の製作工程
1ミツマタの和紙に、ヘラで漆を薄く均一に延ばします。
 余分な漆はふき取りますが、接着力は残さねばならず、
 力加減が難しいところです。
 本金箔自体にはツヤがないため、
 ツヤを出す時は上から光沢のある漆を重ねます。

2薄く均一に塗られた漆の上に、
 約12pの角の本金箔を一枚、
 一枚竹製の「はし」を使って貼り付けていきす。
 本金箔はその厚さが1万分の1oと非常に薄く、
 わずかな衝撃でも破れてしますため、
 息を詰めた作業が必要です。

3綿を用いて貼った本金箔の表面をなでるようにして
 本金箔を定着させます。
 光沢のある漆を使用していた場合は、
 薄い本金箔を通して光沢が透けて見え、
 ツヤのある仕上がりになります。

4漆は適度な温度のもとで乾燥するため、
 本金箔を定着させたものを「室」と呼ばれる
 一定の湿度が保たれた空間に入れておきます。
 1〜2晩乾燥させた後、
 「切り屋」さんによって織物にあわせた幅に裁断されます。


平箔に様々な種類があり、織物に応じたものを製作します。
和紙上に塗る漆、漆の上に張る箔やその置き方を変えることで、
多様な平箔が生まれます。

色漆で和紙に絵を描いたものを、
細かく糸状に切断し、平箔に仕立てることもあります。
厚みが生じると織り込めないため、
筆ではなくヘラを用いて、薄く均一に描きます。
織る工程では一本違わず切断したままの順序で
織り込まなければなりません。

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2006年04月17日

漆の世界 その6

漆を使用する伝統工芸 京象嵌

京象嵌は鉄生地に金、銀、赤銅などを嵌め込んだ金属工芸の一種です。
京象嵌の製作工程では、嵌めこむ金銀をより美しく際立たせるとともに、
鉄生地に錆が発生するのを防ぐために、
「漆焼き」という工程で漆を使用します。

象嵌はシリアのダマスカスでおこり、
アジアにはシルクロードを通って中国に入り、
日本へ最初に伝わったのは古墳時代から飛鳥時代とされています。

京都で象嵌技術が盛んになったのは江戸時代末期で、
武士が刀のつばに象嵌を装飾したことによります。
明治には欧米で日本の象嵌技術が評価され、以後輸出品として脚光を浴びました。

京象嵌の製作工程
1 生地作り 鉄の生地を切り抜き、製作するものの形を作り上げます。

2 布きり 松やに台に生地をつけ、布目のように2方向に細かい溝を刻みます。

3 入嵌 直径0.15から0.17mm位の純金や純銀の線を布目にあてがい、小さな金づちで打ち込みながら模様を描いていきます。また、純金・純銀の薄い板を模様に応じてきり、嵌め込みます。

4 腐蝕 入嵌が終わったら、硫酸・硝酸で表面を洗い、鉄生地を腐蝕させます。
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2006年04月13日

漆の世界 その5

蒔絵・螺鈿

蒔絵

日本漆器を代表する技法で、平安時代に京都で完成された加飾技法です。

筆に金、銀をつけて塗るのではなく、
漆器のうえに漆で文様などを描き、
漆が乾かないうちに金、銀の金属粉などをその上から蒔きます。
このことから、「まきえ」とよばれるようになりました。

金銀などを蒔いた上から漆を摺り(または、塗り)こみ、
磨くことによって金属部分が光を帯びます。
このような加飾方法を蒔絵とよびます。

技法には 平蒔絵、高蒔絵、研出蒔絵、肉合研出蒔絵
DSCF0029.JPG


螺鈿・青貝

漆器の上に、アワビや夜光貝などの貝片をちりばめて模様を表す技法です。
暑さ約1.5〜3.0oの厚貝を張り込んだものを「螺鈿」、
厚さ約0.3mmの薄貝を張り込んだものを「青貝」と呼びます。

CIMG0231.JPG
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2006年04月12日

漆の世界 その4

京漆器の製作工程

1木地作り
 木材をそれぞれの器や調度に合う形に加工します。
 加工方法で曲げ物、引き物、刳り物とよばれています。
 それぞれに独自の技術が必要とされます。
 下地や漆を塗ることで生じる厚みを考慮することなど
 漆器の木地に特有の技術が必要となります。

2漆塗り
 素地を強固にすると共に木の痩せを防ぎ、美しく仕上げため
 「木地固め」、「錆付け」などのいくつかの下地工程を行います。
 注:錆とは砥の粉、漆、水を混ぜ合わせたもの

 下地工程で器物が平らで滑らかになるように砥石で
 研ぐ作業を繰り返します。
 生漆を摺りこみ終えたあと、いよいよ塗りの工程に入ります。
 「下塗り」、「中塗り」の工程をおこない、駿河炭などで
 平滑になるよう水研ぎをします。

 塗りの最終工程は「上塗り」とよばれ、漆の中のホコリを和紙で
 よく濾したものを塗ります。
 濾す和紙は吉野紙を重ねたものです。
 使う漆の種類などによってさまざまな技法があります。

 代表的な塗りの技法には
 一閑塗、柿合塗、木地溜塗、布摺塗、真塗、溜塗、布目塗、刷毛目塗、
 本堅地蝋色仕上げ

 蒔絵については次回です
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2006年04月04日

うるしの世界 その3

京漆器

京都の伝統工芸品には製作中に漆を使うものがいくつかありますが、その代表的なもののひとつが「京漆器」です。

漆芸の歴史

漆工芸は日本、中国、タイなど漆産出国で発達した東洋独自のものです。
日本では縄文時代にはすでに使われていました。
奈良時代には唐から伝えられた技術を基に、日本独自の美意識で技術が確立されました。

平安建都と共にそれは京都に受け継がれ、漆地に金粉などを施す「蒔絵」の技術が発達しました。

以来、京漆器は各時代の風潮を反映し、室町時代には茶の湯と結びついた「わび」、「さび」の内面的な味わい深さを備えた作品を、安土桃山時代には新興武士階級の好みを代表するような華麗な作品を、江戸時代に入ると繊細で緻密な趣を持つ作品が生み出されてきました。

次回は京漆器の製作工程について
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漆の世界 その2

《漆の採取方法》

ウルシノキの幹に傷をつけて、滲み出してくる樹液を独特の道具を用いて書き取ります。
およそ6月から10月末まで行います。

1 木の表皮を「皮取り鎌」で削る
2 「掻きカンナ」で横一文字の掻き溝を作る
3 にじみ出た樹液を「掻きヘラ」で漆筒に掻きとる


《漆のろ過・精製》

木から採取して樹液を工芸品の製作に使用するには、樹液を精製する作業が必要になります。

樹液に綿を入れてよく混ぜ、遠心分離機にかけます。綿と一緒に木の皮やチリが残り、ろ過され「生漆(キウルシ)」ができます。

生漆を精製機の中に入れ漆の質を均質にすると共に、塗装時の平滑性や光沢を与えるために漆を攪拌します。これが「なやし」と呼ばれる作業です。

漆というと黒色や朱色を連想されますが、樹幹から滲み出した当初は乳白色をしています。
水酸化鉄を混ぜて化学反応により黒色にしたり、精製過程で油を加えて艶やかな風合いにしたり、漆にもさまざまな種類があります。また、顔料をまぜて練りこむことで、朱色、青、緑、ピンク…などの「色漆」を作り出しています。
次回は京漆器について


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2006年03月31日

漆の世界その1

 京都の伝統工芸品で製作の中で漆≠しようするものには
京漆器」、「京象嵌」、「平箔」などがあります。

今回は原材料の漆についてお話します。

 漆は「ウルシノキ」に傷をつけたとき、にじみ出てくる樹液を採取したものです。
 ウルシノキは10数年で高さ10メートル、直径が10〜15センチほどに成長します。8〜13年程度すると、漆を採取できるようになりますが、一本の成木で一年にわずか200グラム程度しか採取することができません。

 漆が採取できる木は、日本、中国、インドシナ半島など東南アジア地域に広く分布していますが、現在日本で使われている漆のうち、国内で採取されたものは全体の約2%に過ぎず、中国産が90%以上を占めています。
 日本国内では岩手県や茨城県、新潟県、栃木県などが主な産地です。

次回は
漆の採取方法、精製方法、漆の種類について
 

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